
コラム
研修や会議の記録はあるのに、中身が見えないと何が困るのか
やっているのに、記録からは伝わらない
障害福祉事業所では、虐待防止や身体拘束の適正化、感染症対策などについて、研修や会議を行う必要があります。
これまで、さまざまな事業所の研修記録や会議録を見てきました。
必要な取組は行っているものの、その内容を行政に十分説明できる記録になっていないことが少なくありません。
研修名や実施日、参加者は書かれている。
会議も定期的に開かれている。
しかし、何について説明したのか、どのような意見が出たのか、何を確認し、その後どうすることにしたのかまでは残っていない。
そのため、実際には取り組んでいるのに、その内容が十分に伝わらないのです。
せっかく行ったことを記録から説明できないのは、もったいない状態だと思います。
まず、何を行う必要があるのかを知る
記録の書き方を考える前に、まず確認したいのは、制度上必要とされている取組です。
どのような研修や会議が必要なのか。
どの程度の頻度で行うのか。
誰を対象に行うのか。
どのような内容を扱う必要があるのか。
ここが曖昧なままでは、研修や会議を行っていても、必要な内容が抜けていることがあります。
まだ必要な研修や会議を把握できていない場合は、まず制度上求められている取組を確認します。
すでに実施している場合は、その内容が記録から分かるかを見直します。
記録の様式を整えるのは、その次です。
「研修を実施した」だけでは分からない
例えば、研修記録に、
「虐待防止研修を実施した」
とだけ書かれていたとします。
これでも、研修を行ったことは分かります。
ただ、どのような内容を職員に伝えたのか、どのような事例を取り上げたのか、職員から質問や意見があったのかまでは分かりません。
会議録についても同じです。
「虐待防止について協議した」と書かれていても、何を話し合い、何を決めたのかが残っていなければ、後から内容を確認できません。
実施した事実だけでなく、その中身が分かる程度には残しておく必要があります。
長い記録を作る必要はない
内容が伝わる記録といっても、会話をすべて書き起こしたり、何ページにもわたる記録を作ったりする必要はありません。
研修であれば、いつ、誰が参加し、何を取り扱ったのか。
会議であれば、何を確認し、どのような意見が出て、何を決めたのか。
今後の対応が必要であれば、誰が何をするのか。
この程度が分かれば、記録としてはかなり伝わりやすくなります。
研修の対象となる職員が参加できなかった場合は、必要に応じて、その後どのように内容を共有したのかも残しておくとよいでしょう。
大切なのは、文章を長くすることではありません。
その記録を見た人が、事業所で何を行ったのかを理解できることです。
実際の運営につながる内容を残す
研修や会議は、制度上必要だから形だけ整えるものではありません。
日々の支援で困っていることや、職員の間で判断が分かれていることを確認する機会でもあります。
例えば、虐待防止に関する会議であれば、制度の説明だけでなく、職員が対応に迷った場面や、事業所内で注意したい支援方法について話し合うことも考えられます。
そこで確認したことや決めたことが記録に残っていれば、研修や会議が実際の運営にどうつながっているのかも見えやすくなります。
ひな型を埋めることだけを目的にせず、その事業所で実際に話したことを残すことが重要です。
やっていることが伝わる記録にする
研修や会議を実施しているのであれば、何を確認し、何を話し合い、その後どうすることにしたのかが分かる程度には残しておきたいところです。
記録を長くすることが目的ではありません。
実際に行っていることが、後から見た人にも伝わる形になっているかが重要です。
当事務所では、必要な研修や会議の整理に加え、研修記録や会議録について、実際に行った内容が分かる形へ整えるサポートを行っています。