
コラム
障害福祉事業所で、勤務状況の把握だけでは人員配置を説明できない理由
小規模な事業所では、勤務状況を把握できてしまう
職員数がそれほど多くない事業所では、管理者が一人ひとりの勤務状況を把握していることが多いと思います。
誰が何曜日に勤務しているのか。
どの職員が、どの仕事を担当しているのか。
急な欠勤があったときに、誰が代わりに入ったのか。
日常的に現場へ関わっていれば、こうしたことは自然と頭に入ります。
私自身も、障害福祉事業所で管理者やサービス管理責任者をしていた当時、勤務形態一覧表の重要性を十分に理解していたとはいえません。
職員の勤務状況は把握しており、日々の運営にも大きな支障を感じていなかったため、改めて一覧表へ整理する意味を深く考えていなかったのだと思います。
しかし、管理者が勤務状況を把握していることと、資料をもとに人員配置を説明できることは、同じではありません。
勤務していたことが分かっても、配置までは分からない
シフト表を見れば、誰がいつ勤務する予定だったのかが分かります。
タイムカードや出勤簿を見れば、実際に何時から何時まで勤務したのかを確認できます。
ただ、それだけでは、その職員がどの職種として配置されていたのかまで分からないことがあります。
生活支援員として勤務していたのか。
職業指導員として勤務していたのか。
管理者やサービス管理責任者と兼務していたのか。
同じ法人の別の事業所にも従事していたのか。
シフト表や勤怠記録に職員名と勤務時間が残っていても、こうした配置関係まで読み取れるとは限りません。
人員配置を確認するためには、職員が出勤していたかだけでなく、どの職種として、どの程度の時間従事していたのかを整理する必要があります。
兼務や勤務変更があると、さらに分かりにくくなる
小規模な事業所では、一人の職員が複数の業務を兼務していることも珍しくありません。
午前と午後で担当する職種が異なることもあれば、曜日によって勤務する事業所が変わることもあります。
勤怠記録から一日勤務していたことは分かっても、その時間をどの職種や事業所の勤務として扱うのかは、別に整理しなければ分かりません。
また、実際の勤務は、当初のシフトどおりになるとは限りません。
欠勤や休暇、勤務時間の変更、職員同士の交代などがあれば、予定していた配置と実際の配置が変わります。
管理者は変更の経緯を覚えていても、数か月後に資料だけを見た人には伝わらないことがあります。
欠勤や勤務変更があった場合は、その内容をシフト表や勤務形態一覧表に反映し、当初の予定と実際の勤務が分かるようにしておく必要があります。
三つの資料をつなげて確認する
勤務形態一覧表は、作成して保管すること自体が目的ではありません。
勤務形態一覧表に記載された職種や勤務時間が、シフト表や勤怠記録と合っているか。
欠勤や勤務変更が反映されているか。
兼務している職員について、どの業務にどの程度従事したのかが分かるか。
こうした点をつなげて確認するための資料です。
勤務形態一覧表があっても、毎月同じ内容を転記しているだけで、実際の勤務状況と合っていなければ、人員配置を説明する資料としては弱くなります。
一方で、シフト表、勤怠記録、勤務形態一覧表の内容がつながっていれば、どの職員を、どの職種として、どの程度配置していたのかをたどりやすくなります。
管理者が頭の中で把握している勤務状況を、運営指導などで行政が確認したときにも、その月の人員配置が分かる形にする。
それが、勤務形態一覧表を整える意味だと考えています。
ただ、兼務や勤務変更が多い事業所では、勤務形態一覧表、シフト表、勤怠記録を照らし合わせて整理することが難しい場合もあります。
当事務所では、これらの資料の内容を確認し、実際の勤務状況に基づいて人員配置を説明しやすい状態へ整理するサポートを行っています。