行政書士 巽良太事務所

コラム

サービス管理責任者のOJT6か月特例 ──「6か月でOK」という理解が、なぜ配置できない結果につながるのか

サービス管理責任者のOJT6か月特例については、「早く配置できる制度」というイメージが先行しやすい制度です。一方で実際の現場では、「特例を使ったつもりだったが要件を満たしていなかった」「実践研修は受講できたのに、サビ管として配置できない」といった状況が少なくありません。運営指導で減算や指摘を受けて、初めて不備に気づくケースも見られます。

阪神間(尼崎・伊丹・西宮・宝塚など)の事業所でも、同様の相談は珍しくありません。制度そのものより、「どう理解され、どう運用されているか」にズレが生じやすい仕組みです。

「6か月特例」が誤解されやすい理由

OJT6か月特例は、2年間必要とされる実務経験を、一定の条件のもとで6か月に短縮できる制度です。ただし、期間が短くなることだけが強調され、制度の前提条件が十分に整理されないまま運用されてしまうことがあります。

特に混同されやすいのが、「実践研修を受講できること」と「配置要件を満たしていること」です。実践研修に進めた時点で、サービス管理責任者として配置できる状態になったと受け取ってしまうと、制度とのズレが生じます。

また、OJTの中身が形式的になりやすい点も見落とされがちです。個別支援計画の作成に、アセスメントから計画作成、会議、説明までの一連の流れとして実際に関与しているかどうか。この実態が整理されていないと、制度上の要件を満たしているとは言えません。

届出をしていない、という見落とし

OJT6か月特例を使う場合、指定権者への届出は必須です。 しかし現場では、「研修を受けている途中だから」「まだ正式配置ではないから」といった理解のまま、届出が行われていないケースが見受けられます。

OJT期間中であっても、特例を使ってサービス管理責任者としての育成・配置を前提とする以上、その事実を指定権者に届け出ていることが前提になります。この届出がないまま運用が進んでいると、後からOJT期間そのものが制度上認められない、という判断につながる可能性があります。

見えにくいまま進むリスク

こうしたズレは、日常の運営の中では表面化しにくいのが実情です。研修も受け、現場でも役割を担っているため、「問題はないはずだ」と思い込んでしまいやすい構造があります。

特に、人の入れ替わりや役割変更があった場合でも、「これまで問題なかったから大丈夫だろう」と判断され、制度上の前提条件が再確認されないまま運営が続いてしまうケースは少なくありません。

こうした構造は、職員退職後に見落とされやすい人員配置と制度確認のポイントでも共通して見られます。

日常の運営の中でズレが蓄積し、運営指導の場面で初めて問題として表面化する――OJT6か月特例に関するトラブルも、同じ流れの中で起きています。

研修も受け、OJT6か月特例の育成計画に沿って業務に従事しているため、「問題はないだろう」と思い込みやすいのが現場の実情です。

しかし、配置できる状態かどうかの判断は、研修を受講したかだけではなく、実務経験の内容や日数、個別支援計画作成への関与度、指定権者への届出など、すべての要素が揃って初めて成立します。

ここを事前に整理せず運営が進むと、配置要件を満たしていない状態で運営指導に入ることになり、減算や是正指示など、予期せぬリスクが生じてしまいます。

判断基準は「研修」ではなく「配置」

OJT6か月特例を検討する際に必要なのは、「実践研修を受けられるかどうか」ではありません。最終的に、その人をサービス管理責任者として配置できる状態になっているかを基準に、制度を逆算して整理することです。

配置の可否は、研修修了の有無だけではなく、制度上の前提条件と実態が一致しているかどうかで判断されます。この整理ができていないと、日常の運営では問題が見えないまま、運営指導の場面で初めて指摘を受けることになります。

運営指導は、当日の対応力で乗り切れるものではありません。日々の運営の中で、どこをどう確認しているかが、そのまま評価されます。

運営指導は「当日対策」ではなく、日々の運営の積み重ねで決まる

OJT6か月特例も同様で、制度をどう理解し、どう運用してきたかが、後から問われる仕組みです。

「6か月で実践研修を受けられる」という一点だけが強調されると、本来確認すべき前提条件が抜け落ちてしまいます。これは、加算制度などでもよく見られる「一部の要件だけを切り取って理解してしまう」状態と似ています。

制度は「使えるかどうか」ではなく、「使い続けられるか」「説明できるか」で整理する必要があります。

当事務所のサポート

当事務所では、OJT6か月特例が形式上使えるかどうかではなく、運営指導で説明できる状態かどうかを基準に整理を行っています。実務経験や配置要件を確認し、個別支援計画作成への関与内容を言語化した上で、指定権者への届出を前提とした制度整理を行います。

書類を整えること自体ではなく、「その配置が制度上どう評価されるか」を見据えた整理を重視しています。

制度を「使えたか」ではなく「説明できるか」で見る

OJT6か月特例は、早く人を育てるための制度ではありますが、「早く配置できる魔法」ではありません。重要なのは、その配置が制度上どのように評価されるのかを、第三者に説明できる状態になっているかどうかです。

研修を受けた事実、現場で関与している感覚、忙しさの中での実務。これらが揃っていても、「制度の前提条件」「実態の整理」「届出」という要素が抜け落ちていると、配置要件は満たされません。判断基準は、内部の納得感ではなく、運営指導の場で説明が通るかどうかです。

「6か月でいけるか」ではなく、「この配置を、根拠をもって説明できるか」。その視点で一度立ち止まることが、結果的に最も安全な運営につながります。

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