行政書士 巽良太事務所

コラム

職員の給与を上げたい - その思いが経営を苦しくする前に考えたい、処遇改善加算の使い方

処遇改善加算は、本来「職員の処遇を良くするため」の制度です。 そのため、職員の給与を少しでも上げてあげたい、と考える事業所ほど、真面目に向き合っている印象があります。

一方で、現場のお話を伺っていると、「良かれと思ってやったことが、結果的に経営を圧迫している」ケースも少なくありません。

職員の給与を上げたい気持ちから起こりやすいこと

人材確保や定着を考え、次のような対応をされる事業所があります。

  • 独自の手当をいくつも作った
  • 基本給とは別に、各種手当で給与を底上げした
  • 処遇改善加算は、通常の給与とは別枠で支給している

職員の立場から見れば、給与が増えるのはありがたいことです。 ただ、このやり方を続けていくと、人件費が想定以上に膨らみ、経営を圧迫し始めることがあります。

なぜ人件費が膨らみやすいのか

原因として多いのが、処遇改善加算の使い道を正確に把握できていないことです。

処遇改善加算は、基本的に「通常の給与に上乗せする形」で支給されます。 そのため、既存の手当とは切り分けて考えてしまいがちです。

結果として、

  • 手当で給与を上げる
  • さらに処遇改善加算を上乗せする

という構造になり、意図せず人件費が二重に増えていきます。 制度そのものが悪いわけではなく、使い方の整理が追いついていないことが問題になりやすいのです。

起こり得るリスクは小さくない

この状態を放置すると、次のようなリスクが現実味を帯びてきます。

  • 人件費が経営を圧迫し、最悪の場合は倒産リスクにつながる
  • 支援に回すべきお金が不足する
  • 一度上げた給与水準を下げられず、調整が効かなくなる

「職員のため」と始めた取り組みが、事業所全体を苦しくしてしまうのは、本末転倒です。

処遇改善加算は、使い方次第で経営の味方になる

重要なのは、処遇改善加算の正しい使い道を知ることです。

処遇改善加算は、必ずしも「毎月の基本給に単純上乗せ」するしかない制度ではありません。 要件を満たせば、さまざまな手当や支給方法に充てることができます。

  • 既存の手当と処遇改善加算を整理する
  • 制度上、使える範囲と使えない範囲を切り分ける
  • 無理のない形で給与アップと経営改善を両立させる

こうした整理を行うことで、「職員の給与アップ」と「経営の安定」を同時に目指すことが可能になります。

当事務所が行っているサポートについて

当事務所は、阪神間を中心に、障害福祉サービス事業所専門の行政書士として、処遇改善加算の運用支援を行っています。

  • 基準違反にならないだけでなく、経営面でも有効な加算運用の整理
  • 運営指導で指摘を受けにくくするための書類整備
  • 処遇改善加算を「何に使ってよいか」「何に使えないか」を明確にした整理支援

処遇改善加算は、理解すればするほど「使い方で差が出る制度」です。 職員の給与アップ、手当の設計、そして事業所の将来を見据えた運用について、無理のない形で整理するお手伝いを行っています。

※本コラムは、処遇改善加算や職員の給与設計について、現場で起こりやすい悩みを整理したものです。当事務所では、各事業所の状況に応じて、処遇改善加算の適正な算定や手当設計、書類整備までを一体的にサポートしています。

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