コラム
相談が遅れることで起きる制度トラブル -「今すぐじゃない」が積み重なるリスク-
職場の中で、制度について「少し気になる点」が出てくることは、障害福祉サービスの現場では決して珍しいことではありません。
ただ、その多くは緊急性が見えにくく、「今すぐ聞くほどではない」「もう少し情報が出てからでいい」と判断されがちです。
結果として、忙しさや心理的なハードルも重なり、相談は後回しになります。そして気づけば、「あとでまとめて対応しよう」と放置されたまま、時間だけが過ぎていく。阪神間の事業所でも、よく見かける流れです。
なぜ相談は遅れやすいのか
制度対応は、事故やクレームのように即時の被害が見えません。そのため、どうしても優先順位が下がりやすくなります。
また、「今はまだ確定情報ではない」「相談するほどの段階ではない」という認識が、判断を鈍らせます。
相談=大ごと、という思い込みもあり、管理者やサービス管理責任者が一次判断者として制度判断を抱え込んでしまう構造も背景にあります。
時間差で表に出る制度リスク
問題になりやすいのは、通知の読み違いそのものではありません。多いのは、対応のタイミングがズレた結果、後から評価されるケースです。
- 本来は「確認だけ」で済んだ段階を過ぎてしまう
- 「知らなかった」では済まない状態になる
- 行政指導や減算・返還の対象になる
- 是正対応に想定以上の時間と労力がかかる
判断を先送りしたことで選択肢が狭まり、「もう修正が効かない」局面に入ってしまうこともあります。
考え方と対応の整理
すべてを即断する必要はありません。重要なのは、段階を分けて考えることです。
- 判断が必要な段階と、情報収集の段階を切り分ける
- 「今すぐ動かない」ことを、意識的な判断として選ぶ
- 未確定情報ほど、一人で結論を出さない
- 相談を「決断の依頼」ではなく「状況整理」と位置づける
相談の早さと、決断の早さは別物です。
当事務所のサポート
当事務所は、障害福祉分野に特化した行政書士として、判断を急がせないための整理役を担っています。
- 未確定情報・案段階の制度内容の整理と位置づけ
- 「今は待つ」「ここは確認だけ」といった判断の切り分け
- 管理者・サビ管の制度判断を一人にしないための壁打ち
- 後から修正が必要になる対応を避けるための事前確認
相談が遅れたことで制度トラブルに発展するケースは少なくありません。日常の運営の中で立ち止まり、整理する余白を持つことが、結果として一番のリスク対策になります。
制度判断を一人で抱え込まないために
制度対応で一番のリスクは、判断を間違えることそのものよりも、判断を一人で抱え込んでしまうことです。
「今すぐ決めなくていい話なのか」「確認だけしておくべき段階なのか」「この時点で動くと、逆にリスクになるのか」
こうした整理は、現場を知っている人ほど難しく感じやすいものです。
当事務所では、制度対応を“進めるため”ではなく、判断を急がせないための整理役としてご相談をお受けしています。
「これは今、相談する話なのか?」その確認だけでも構いません。
一人で抱え込まず、判断の前に一度、状況を整理する選択肢があることを、頭の片隅に置いていただければと思います。